日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-49
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鶏卵卵黄タンパク質の酵素分解物が示す牛肉・魚肉中の過酸化脂質生成抑制効果
*阪中 專二
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抄録

【目的】 鶏卵は古くから食品として利用され,今や生活に不可欠な食品となっている。卵黄には固形物換算約30%のタンパク質が含まれ,抽出されたタンパク質は栄養価が高いことから畜産用や水産用飼料として一部利用されている。本研究は,鶏卵卵黄タンパク質を酵素分解により水溶性化し,得られる酵素分解物の有する抗酸化能を試験管内試験と牛肉・魚肉に添加した際の有効性により明らかにすることを目的とする。
【方法】 1. 卵黄タンパク質の酵素分解物の調製:脱脂した卵黄粉末を市販プロテアーゼにより分解し酵素分解物を得た。酵素分解物は構成アミノ酸組成とゲル濾過クロマトグラフィーによる分子量分布を調べた。2. 卵黄タンパク質酵素分解物の抗酸化能:β-カロテンの退色抑制およびDPPHラジカル,ヒドロキシラジカル,スーパーオキシドラジカルに対する消去活性を測定した。3. 食品への利用:牛肉およびマグロの脂身磨砕物に卵黄タンパク質酵素分解物を添加し保存後の過酸化物の生成をチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)測定により比較した。
【結果】 酵素分解物の構成アミノ酸組成は,原料とした卵黄タンパク質とほぼ同等であり,分子量分布からみた最大ピークは1000以下であった。ラジカル消去活性では,DPPHラジカル,ヒドロキシラジカル,スーパーオキシドラジカルのすべてのラジカルに対して酵素分解物は強い消去活性を示した。牛肉・マグロ脂身磨砕物の過酸化脂質生成に対しても酵素分解物は強い抑制効果を示した。以上の結果から,卵黄タンパク質酵素分解物は畜肉・魚肉の保存性向上素材としても有用であると考えられる。
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© 2009日本調理科学会
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