抄録
【目的】 食品媒介性病原菌であるカンピロバクタ−は、鶏の腸管に持続感染を起こすため、菌に汚染された食品(肉や卵など)が食中毒の原因となり、公衆衛生上重要な問題となっている。これまで我々は、タンパク分解酵素、脂質分解酵素、キチン分解酵素などを産生する好気性微生物群が病原微生物の増殖を抑制することを明らかにしている。本研究では、カンピロバクター排除の新たな方策として、この好気性微生物群が有用であるか否かを明らかにするために、好気性微生物群添加飼料投与によるカンピロバクター排除効果について検討した。
【方法】 Campylobacter jejuni(C. jejuni)を実験的に感染させた白色レグホンに好気性微生物群を2%添加した飼料を与え、定期的に糞便を採取し、採取された糞便中のC. jejuni数を計測し、C. jejuni排除に対する好気性微生物群の効果について調べた。
【結果】 好気性微生物群を添加していない飼料を与えられたC. jejuni感染鶏群は、実験期間中(61日間)、高濃度のC. jejuniが糞便から検出された。一方、好気性微生物群を2%添加した飼料を与えられたC. jejuni感染鶏群においては、好気性微生物群投与後、8日目までは高いC. jejuniの菌数が検出されたが、11日目以降検出されるC. jejuniは減少した。40日目以降では、検出されるC. jejuniは有意に減少し、54日目以降実験終了までC. jejuniは検出されなかった。これらの結果から、C. jejuni感染鶏に対して好気性微生物群を飼料に添加し与えることにより、C. jejuniを排除できる可能性が示された。