日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 1B-a5
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口頭発表
クリープによる麺表面から中心部への粘弾性分布の測定
*佐藤 幸子四宮 陽子
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抄録

目的 麺のコシは物理的な要素が複合した食感だが、麺表面から中心部への粘弾性分布の影響が大きいと言われている。昨年度は粘弾性分布を直接クリープで測定するために、麺外側を荷重をかけてつぶし、その状態で応力緩和をしてから改めて荷重をかけてクリープを行い、麺内部の粘弾性測定を試みた。今年度はこの方法を一部改良し、かける荷重の調整によって、麺表面から中心部への粘弾性分布測定を試みた。方法 試料は冷凍ゆでうどん(テーブルマーク㈱)、茹で時間75秒、3cmに切断、乾燥を防ぐためにシリコンオイルに浸漬した。外側にかける荷重は破断曲線から0N・0.8N・2.0N・3.92Nとし、これらの荷重による試料厚さの変化と厚さを固定して応力緩和を測定した。クリープ測定は麺厚さを固定し、応力緩和後1Nの荷重をかけ、クリープメーター(RE2-33005B㈱山電)に電子恒温システム(ETC-3305㈱山電)を取り付け、麺中心温度を26℃で行い、解析はクリープ解析(BAS-3305㈱山電)を用いた。結果 それぞれの荷重でつぶし始めてから10秒で試料厚さは安定し、歪率に換算すると平均22%(0.8N)、33%(2.0N)、44%(3.92N)であった。応力緩和は測定により10秒とした。麺表面から内部4ヶ所の粘弾性は6~8要素で、弾性要素は104~106〔N/m2〕、粘性要素は104~107〔Pa.s〕であった。食感に大きく影響すると考えられるE0は、歪率0%、22%、33%、44%と麺中心へ行くにしたがって増加し、それぞれ危険率5%で有意差が認められた。ηNは逆に麺表面が最も大きくなった。

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