日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成24年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-31
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ポスター発表
肉類のオーブン加熱における余熱の有効利用
覆いを利用した場合の最適加熱条件の検討
*中村 恵子石渡 仁子大石 恭子高崎 貞子中本 恵子松田 康子八木 千鶴渡辺 豊子山形 純子伊與田 浩志杉山 久仁子渋川 祥子
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キーワード: 余熱, オーブン加熱, 肉類
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抄録
【目的】肉類のオーブン加熱において、オーブン設定温度が270℃以上であれば肉の内部温度が70℃に達してから1分間の加熱でも余熱の利用により75℃を1分間以上保持できること*1、オーブン角皿に覆いをすると余熱の効果は大きくなること*2を報告した。本研究では、余熱時に覆いを利用してより良好な仕上がりとなる条件を明らかにするために、オーブン設定温度を下げて覆いを用い、試料の厚さ及び加熱終了温度が肉の調理成績に及ぼす影響について検討した。
【方法】既報と同様に、厚さ15または10mmの豚ヒレ肉9個をオーブン角皿に並べ、6研究室のガスあるいは電気オーブンを用いて、オーブン設定温度230℃(庫内平均温度210~240℃)で試料を加熱し、角皿対角線上の3個の試料中心温度を測定した。2個目の試料が65℃あるいは70℃に達してから1分間(『65℃1分』『70℃1分』)で加熱を終了し、直ちにオーブン角皿をアルミホイルで覆い、放置30分後の試料の重量及び硬さを測定した。また、簡易化した伝熱計算モデルによって各条件における75℃保持時間を予測した。
【結果】加熱条件『70℃1分』では、オーブン設定温度230℃でも全ての試料が75℃1分間以上を満たし、余熱時の覆いの効果が再確認された。試料中心部の最高温度は85℃、重量減少率は29%であった。一方、『65℃1分』では、覆いをしてもオーブン機種等によっては75℃に達しない試料があった。また、試料の厚さが薄くなると余熱効果が小さくなり、加熱終了条件の設定に工夫が必要であった。*1;日本調理科学会誌44(1)p.72(2011)、*2;日本調理科学会誌44(4)p.277(2011)
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© 2012 日本調理科学会
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