日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成26年度(一社)日本調理科学会大会
セッションID: 2P-38
会議情報

ポスター発表
塩麹につけた鶏肉の官能評価
哥  亜紀*山本 直子大内 和美
著者情報
キーワード: 塩麹, 官能評価, かたさ
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】 塩麹とは、米麹に食塩と水を加え醗酵熟成させたもので、独特の風味とうまみのある調味料である。この塩麹に漬けた肉や魚はうまみが増し、軟らかくなると言われている。これは塩麹中のコウジカビが生産する酵素が関係していると考えられる。昨年、発表者は本学会において塩麹の熟成時における酵素活性の挙動について報告した。今回は塩麹に漬けた鶏ささみ肉のかたさやおいしさについて官能評価を行った。また、クリープメーターによるかたさの評価も行った。【実験方法】 塩麹は、米麹に10%の食塩(市販品に準ずる)を加え、しっとりなじむまでよく混ぜ、水を加え懸濁させて調製した。調製後は25℃で7日間熟成させ、その後4℃で冷蔵保存した。鶏のささ身肉の重量に対し10%の塩麹を塗布し、冷蔵庫で1,3,24時間漬け込み、オーブンで焼いたものを官能評価に用いた。対照として塩麹と同じ塩分濃度の食塩水に同時間漬けたものを用意した。パネラーは本学学生とし、官能評価と簡単なアンケート調査を行った。さらに、クリープメーターにより、かたさ応力を測定した。【結果】 官能評価においては、かたさに有意差は見られなかった。しかし、クリープメーターで同様に処理した試料を測定したところ、未処理の肉に対して塩麹に漬けた肉は軟らかくなる傾向がみられた。嗜好的官能評価では、浸漬時間1,3,24時間の味、香り、かたさの総合評価において、有意差は認められなかった。アンケート調査では、ほとんどの学生が塩麹を知っていた。しかし、実際に塩麹を利用した料理を食べたことがある人は63%であった。料理の種類では80%以上が肉料理と回答した。
著者関連情報
© 2014 日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top