日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-42
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夏期集中講義における食育:スマートフォンを活用した調理実習指導
山下 満智子*細辻 珠紀*齊藤 大樹滝澤 理仁河合 崇中崎 鉄也北島 宣
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抄録

【目的】
 京都大学農学研究科では、平成28年度附属農場移転にともない、宿泊施設ならびに調理実習室を新農場に併設し、文部科学省教育関係共同利用拠点として食と農、エネルギーに関する一環教育をスタートさせ、夏期休暇中には、集中講義を行い、全国から様々な専攻の学生を受け入れることとした。集中講義においては、食卓と栽培に関して理解を深めることを目的に、講義や農場実習とともに、調理実習をカリキュラムに組み込み、学生が自ら調理をし、食卓を囲み、調理屑や残滓の処理をする。
 また、この機会を多くの学生にとっての「最後の調理実習」と位置付け、今後社会のリーダーとなる学生が、健康に生活するために必要な基本的な調理スキルや朝食の習慣、食卓のマナーを身に付ける機会とした。

【方法】
 「食卓の栽培学」集中講義(夏期休暇中4泊5日)において、夕食4回ならびに朝食4回(昼食3回は弁当)の調理実習を行うが、朝食時には、実習指導者が不在となるため、スマートフォンの活用を試みた。材料ならびにレシピをホワイトボードに提示し、班ごとに調理をし、代表者がスマートフォンで撮影した配膳写真を、毎食後メールで送らせることとした。集中講義終了時に、調理実習についてのアンケートを実施した。

【結果】
 当初は、箸置きの使い方や、飯茶碗とお椀の並べ方など不揃いであったものが、送られた写真を張出し、コメントを加えることで、各班ともに盛り付けや配膳が整うようになった。またアンケートにおいては、4日間の食事を自分たちで賄えた経験から、調理に対する意識の変容が見られ、特に朝食を食べることについての意識・行動の変容が見られた。調理実習や朝食指導の方法として集中講義やスマートフォンの活用が有功であると考えられた。

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