日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成29年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1A-2
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口頭発表
RVAによる炊飯米評価手法の新規開発
奥西 智哉*塚原 知里*加古 さおり依田 香子新田 浩朗岡留 博司五月女 格安藤 泰雅
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キーワード: 米飯, RVA, 糊化
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抄録

【目的】炊飯は水を吸わせた米に熱を加えることにより、米の主成分であるデンプンを糊化させることで食事に適した状態にすることである。デンプンの糊化度合の評価は1)BAP法等の酵素を用いた方法、2)示差走査熱量測定(DSC)等が用いられてきた。しかしながらこれらの手法は炊飯により十分に糊化された米飯の品質を直接評価することは困難である。一方、RVA では一般的に粉末生米試料を用いて米飯物性および米飯老化性の推定がされているが、今回、粉末米飯試料を用いて品質評価の可能性を検討したので報告する。
【方法】炊飯器機種あるいは炊飯モードが異なる方法で調製した各種米飯を約7倍量のメタノールに分散し、即座にホモジナイズした。ろ過により得た沈殿をアセトンで十分に洗浄し、風乾したもの次の条件にてRVA分析した。パドル回転数は160rpm で1分まで50℃を保ち4分間で93℃まで昇温し7分間保った。4分間で50℃まで降温し4分間保った。DSC(SII、6220)は試料4mgにミリQ水12mgをアルミ製缶に封入し、20℃から120℃まで毎分5℃の昇温条件で行った。
【結果】生米を粉砕した米粉を試料に用いると、加熱によるデンプン糊化挙動が、RVAでは最高粘度、DSCでは吸熱ピークを示すことからわかる。これらのピークは炊飯加熱に伴い小さくなるが、炊飯時に加えた水を米がすべて吸収した時点の米飯試料ではDSCピークは観察されなくなった。一方RVAにおいては蒸らし過程を終えた試料においても最高粘度ピークを概ね示した。また、炊飯時加水が増えることにより、最高粘度を示す時間(ピーク時間)が変化した。ピーク時間のずれは炊飯機種およびモードが異なる場合でも見られた。

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