日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-15
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ポスター発表
おから粉末を利用した高齢者向け食品“つみれ”の品質評価
*鈴野 弘子秋山 聡子池田 昌代
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抄録
【目的】豆腐や豆乳を製造する際に大量に生成されるおからは、食物繊維やたんぱく質を多く含むが、多くは産業廃棄物となっている。また、おからの乾燥微粉末は、保存性が高く加工に利用しやすい。一方、我が国では高齢社会に伴い、低栄養や便秘の症状をもつ高齢者が増加している。そこで本研究では、高齢者向けの高たんぱく、高食物繊維の食品を開発することを目的に、おから粉末を添加したつみれを調製し、その品質の評価を行った。
【方法】1.試料:イトヨリすり身、おから粉末(キッコーマンソイフーズ) 2.つみれの調製:4倍量の水を加えたおから粉末をすり味に加え、20gの団子状にして、中心温度75℃、1分間のゆで加熱を行った。おから粉末の配合は、すり身に対して5、8、10%とした。3.測定:色彩は分光測色計(コニカミノルタ CM-700d)、テクスチャーはクリープメーター(山電 RE2-33005S)で測定した。また、分析型、嗜好型官能評価を、パネル10名、両極7点尺度の評点法で行った。
【結果】つみれの色は、おから粉末の添加量が多いほど黄色が強くなった。硬さは、おから粉末を添加するほど有意に低くなった。凝集性は、8%添加が無添加、5%添加に比べて有意に低く、10%添加に比べて有意に高くなった。付着性は、8%添加が無添加、5%添加と比較して有意に高くなった。8%、10%添加は、ユニバーサルデザインフード区分2に該当した。分析型官能評価では、無添加に比べ、8%添加は「色」「べたつき」「残留感」が有意に高く、「かたさ」「弾力」は有意に低かった。嗜好型では、無添加に比べ、8%添加は食感に関する項目の評価が有意に低く、「やや好ましくない」という評価であった。「うまみ」「香り」「総合評価」には有意差はなかった。
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