日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-24
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ポスター発表
節レンコン添加パンの製パン性
*原田 香相良 剛史橋本 多美子
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抄録
【目的】我が国では、年間約5万トンのレンコンが生産されているが、レンコンは節の部分など廃棄率の高い作物であり、加工時には生産量の2~3割に相当する約1.5万トンが廃棄物として処理されている。本研究では節レンコンの利用拡大を目指し、節レンコン添加パンの製造を試み、節レンコンの添加が製パンに与える影響について検討した。
【方法】パンの調製にはホームベーカリー(YAMAZEN)を用いた。食塩4g、砂糖20g、脱脂粉乳10g、無塩マーガリン20g、強力粉240g、インスタントドライイースト3g、水160gの順に型に入れ、食パンメニューの一斤用を選択して焼成した。節レンコン粉末およびレンコン粉末を添加する場合は、強力粉重量の10%を置換した。焼成後、直ちに型から網の上に取り出して室温で2時間冷却し、ラップフイルムに包んで24時間保存した後に、これらのパンについて色調、比容積および物性を測定するとともに、嗜好性に関する官能評価を行った。
【結果】節レンコン粉末添加パンおよびレンコン粉末添加パンの色調は、内相では無添加パンに比べてL*値は有意に低く、a*値は有意に高かったが、外相では全ての値において、無添加パンよりも有意に低値を示した。一方、節レンコン粉末添加パンおよびレンコン粉末添加パンは、無添加パンと比較し、比容積では低値を示し、硬さ応力は増加して硬くなり、凝集性は低下することが明らかとなった。他方、官能評価では無添加パンの評価が最も高く、次いでレンコン粉末添加パンが高評価であり、節レンコン粉末添加パンはレンコン粉末添加パンと比較しても有意に低い評価となった。以上の結果から、節レンコンを添加した食パンを調製する際には、添加量や添加方法など、更なる検討が必要になるものと思われた。
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