日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 2P-32
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ポスター発表
豆腐を使って調製した白玉団子および生地の物性について
*小堀 龍太郎林 瑞穂中田 忍
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キーワード: 豆腐, 白玉生地, 物性
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抄録
【目的】小学校家庭科の調理実習で白玉団子が教材としてよく扱われている。その際、水の代わりに豆腐を使用する場合がある。現場の声として、豆腐で調製した白玉生地はまとまりやすく、白玉団子ももちもちとした物性が、時間経過後もあまり変化しない利点があるとされている。そこで豆腐を用いて調製した白玉団子および生地について、力学的物性を測定し、水調製生地との違いについて検討を行った。

【方法】白玉団子の調製:白玉生地は白玉粉50gに水42gまたは絹ごし豆腐52.5gの基本配合とし、厚さ10mmにのばし、円形型(φ30mm)で抜いた。沸騰水で茹でた後、冷水で粗熱を取った後に測定に供した。物性測定:測定機器はクリープメーター(山電、RE2-3305B)を用い、テクスチャー解析(圧縮速度 1mm/1s、測定歪率75%、円柱状プランジャー(φ16mm))を行った。

【結果】水および豆腐の添加量の検討を行ったところ、白玉粉50gに対し、生地調製可能な水の量は38~44g、豆腐の量は45~55gであり、豆腐添加量の幅は水よりも広いことが分かった。豆腐調製の団子生地は水調製に比べ、柔らかく伸展性に富み、凝集性および付着性が有意に高値をしめした。しかしながら、団子の比較では豆腐調製団子は黄色みを帯びていた。また、両者の最大荷重以外の各物性値の差は小さく、有意差はなかった。また、団子調製2時間後までの物性変化は両者間に差はなかった。以上の結果から豆腐団子が固くなりにくいことは確認できなかったが、水の代わりに豆腐を用いて白玉団子を調製することで扱いやすい生地となり、団子の物性にも影響しないことが示された。
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