日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成30年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: 1B-2
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口頭発表
1300年以上の伝統を受け継ぐ岐阜県長良川における鵜匠家の鮎なれずし
*堀 光代, 西脇 泰子, 長野 宏子
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キーワード: 鵜飼, 長良川, 鮎なれずし
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抄録
【目的】岐阜市の長良川では鮎を獲る漁法に伝統を受け継ぐ「鵜飼」がある。「清流長良川の鮎」は2015年に世界農業遺産として認定され、現在、岐阜市長良川の鵜飼いは、宮内庁式部職の6名の鵜匠が行っている。鵜匠家ではお世話になった方に感謝の気持ちを込めて「鮎なれずし」を作り、年末に配る風習が残っている。伝統的な「鮎なれずし」を手作りしている鵜匠家から食材の用い方、作り方の特徴を調査し、記録に残すことを目的に調査を行った。
【方法】平成26年から平成29年にかけて鵜匠家とその縁者に聞き書きを行い、「鮎なれずし」の作り方等の調査を行った。鮎の準備、下処理、および作成方法の観察と記録を行った。
【結果】「鮎なれずし」は年に1回作られ、11月頃に産卵のために川を下る「落ち鮎」の雄を用いていた。全工程は、①鮎の塩漬け、②水洗い(塩抜き)、③漬け込み、④完成の4工程である。①鮎の下処理後の塩漬けは、約1ケ月間常温保存のため、気温が低くなる時期から開始していた。②水洗い(塩抜き)は、流水で行い、塩の加減は気候を考慮し、食して判断していた。③漬け込みは、桶の下部に飯(ふりめし)を敷き、塩抜きした鮎の腹にも飯を詰めながら漬け込んでいた。桶1段に約15尾の鮎を並べ、それを4段重ねていた。重ね終わりには、竹皮・落とし蓋・枕木を順に乗せ、上に重石をし、軒下等の日陰に1ケ月程度保存した。重石で水が上がるため、その状態を見ながら乾かないように水を補充していた。④完成前に水を捨てて逆押しを行い、半日ぐらいかけ十分な水切りを行った。完成までに約2ケ月をかけて作られる「鮎なれずし」は、伝統的な製法と先人の知恵が多くみられ、鵜匠家の食文化を継承するものであった。
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