抄録
【目的】『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』のガイドラインに準じて行った調査から,千葉県の主菜についてその特徴を「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」は特別企画で発表した。ここでは、千葉県の主菜と地域特性の関連性について報告する。
【方法】千葉県を9地域に区分し明らかにした主菜について地域特性との関連を検討した。
【結果】千葉県は太平洋に突き出た半島で三方を海に囲まれ、九十九里地域の砂浜域や外房地域の変化に富んだ岩礁域、浅海漁場である東京湾など海岸線は変化に富んでいる。沖合域には黒潮、親潮が交差し豊かな漁場と多様な水産資源に恵まれている。この海域特性に応じ、多種な沿岸・沖合漁業が発達しさらに水産加工業が発達してきた。また、利根川、江戸川とこれに連なる印旛沼や手賀沼のほか、各地の中小河川でさまざまな漁業・養殖業が行われている。千葉県の漁業は5つの地域(銚子・九十九里、外房地域、内水面地域、東京内湾地域、内房地域)に区分され、主たる漁獲魚は地域で異なっている。例えば、銚子・九十九里はイワシ、サバ、サンマ、キンメダイ、ハマグリ、ナガラミ、外房は、さざえ、アワビ、イセエビ、カツオ、イカ、キンメダイなど、である。これらのうち、サンマが、9地域で共通して食べられていることは、サンマの漁獲量が多く安価であり、刺身、煮つけ、ゴマ漬けなど様々な料理が古くから行われてきたことによる。漁港の周辺の地域や、流通に便利な地域では、魚は刺身を主とし、焼き魚、煮魚など一般的な料理に加え、ゴマ漬け、からなますなど甘酢で調味し鮮度を保つ料理も行われてきた。
また、安房郡嶺岡地域は日本酪農発祥であり畜肉とあわせ牛乳生産が行われ、牛乳豆腐が作られてきた。