日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: 2P-15
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ポスター発表
国産ライチ解凍後の変色防止方法に関する検討
*樋口 かよ木村 英生小松 正和小嶋 匡人小宮山 美弘
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キーワード: ライチ, 褐変, 解凍
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抄録

【目的】国産ライチの「チャカパット」は,赤色が鮮やかでライチの中では大玉な高級果物とされている。チャカパットの外観や味の品質については,冷蔵保存により3週間程度保持されることを確認してきた。一方,冷凍保存後では解凍による果皮の褐変が見られ,短期間で商品価値を下げることが課題となっていた。そこで,(1)解凍後の色調変化の評価とともに,(2)解凍時の変色防止方法についても検討することとした。

【方法】収穫後直ちに冷蔵した宮崎県産のチャカパットを入手し,ジッパー付きポリエチレン袋に入れて約3〜4ヶ月間−30℃の冷凍庫で保存した果実を供試試料とした。(1)の解凍は袋のまま1時間流水で行い,解凍直後および4日後までの冷蔵保存期間中の色調について分光測色計を用いて経時的に測定した。(2)の変色防止方法の検討では,解凍方法を1.無添加,2.食塩水添加,3.酸性溶液添加,4.短時間加熱処理として,4つの方法を試みた。

【結果および考察】(1)について袋のまま1時間流水解凍を行った結果,1日後には赤色を示すa*値の低下および目視により果皮の褐変が確認された。一方,(2)については3.酸性溶液添加による解凍処理において,果皮の赤色が保持され,解凍後の冷蔵期間中(6日後)も,a*値にほとんど変化は見られなかった。この結果から,酸性溶液を用いた解凍処理方法を用いることにより,解凍後1週間程度果皮の赤色を保持できる可能性が示唆された。

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