日本調理科学会大会研究発表要旨集
2019年度大会(一社)日本調理科学
セッションID: P-k46
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特別企画 次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理 ポスター発表
沖縄県の家庭料理 副菜の特徴
*大城 まみ田原 美和森山 克子我那覇 ゆりか名嘉 裕子
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抄録

【目的】「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」の一環として,1960〜1970(昭和35〜45)年頃までには,定着していた家庭料理の中でも,本報では,伝統的農産物・海そうを中心とした副菜の特徴について紹介する。

【方法】1. 伝統的農産物・海そうを使った副菜について,平成24〜26年度の聞き書き調査報告書,その後の補足調査,文献等を基に整理する。2. 聞き書き調査は,沖縄県の北部(本部町崎本部),中部(読谷村宇座・沖縄市登川),南部(那覇市与儀),宮古(宮古島市伊良部),八重山(石垣市登野城)の5地域で行った。

【結果および考察】古くから伝統的農産物や海そうは沖縄県全域で食されており,副菜においても欠かせない食材である。沖縄県の伝統的農産物とは,平成17年度伝統的農産物振興戦略策定調査事業によると,「1.戦前から食されていること」「2.郷土料理に利用されていること」「3.沖縄の気候・風土に適合していること」と定義されている。現在28品目の農産物があり,県内では「島野菜」と呼ばれ親しまれている。伝統的農産物を使った副菜には,ゴーヤー(苦瓜)を使ったゴーヤーンブシー,ナーベーラー(へちま)を使ったナーベーラーンブシー,シブイ(冬瓜)を使ったシブインブシー,パパイヤ(未熟パパイヤ)を使ったパパイヤイリチー,ンジャナ(ホソバワダン)を使ったンジャナスーネーなどがある。海そうを使った副菜には,クーブ(昆布)を使ったクーブイリチー,スヌイ(沖縄もずく)を使ったスヌイの酢の物,モーイ(いばらのり)を使ったモーイ豆腐などがある。これらの副菜の中には,豚肉や豆腐などを用いる料理も多いため,主菜と副菜の区別がつきにくい特徴がある。

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