主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2021年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 実践女子大学 日野キャンパス
開催日: 2021/09/07 - 2021/09/08
【目的】みその消費量は年々減少傾向である。しかし、近年では、みその生理学的機能、和食・伝統食の価値の見直しの動きなどの観点から、みそを用いた料理に対する関心は高まっている。本研究では、食生活の変化を示す資料として、NHK「きょうの料理」を用いて、1958年から現在に至るまでの、みそ料理の変化の実態を把握し、その背景を考察した。
【方法】1958年〜2020年に発刊されたNHK「きょうの料理」について、創刊年と1960年以降10年間隔で収集した82冊を資料として用いた。掲載料理数、みそ料理数、みそ料理のカテゴリー分類(主食・主菜・副菜・汁物・その他)、みそ料理の料理様式(和風・洋風・中国風)、みそ汁の具材料と作り方を調査項目とした。
【結果・考察】みそ汁は、2000年以降、材料と分量、作り方の記載が増加した。背景には、家庭内でのみそ汁の摂食頻度の減少、核家族化の進行、加工食品の普及により、家庭内での料理の継承の機会が減少したことが考えられる。みそ汁の具材料では、全調査期間で野菜類が最も多かった。1990年以降、トウモロコシ、牛乳、キムチ、さば缶などがみそ汁の具に使われるようになり、みそ汁の具に変化がみられた。冊子ページ数の増加とともに掲載料理数は増加したが、みそ料理の掲載数には、大きな変化はみられなかった。みそ料理のカテゴリー分類では、主菜の記事の割合が増加していた。みそ料理の料理様式では、洋風料理と中国風料理の記事の割合が増加しており、食生活の多様化とともに、みそは和風料理だけでなく、さまざまな使われ方をしていることが推察された。本研究により、家庭内の料理を継承する機会の減少や、食生活の多様化に伴って、みそ料理の料理様式や調理法が多様化していることが推察された。