主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2022年度大会(一社)日本調理科学会
開催地: 兵庫県立大学
開催日: 2022/09/02 - 2022/09/03
【目的】大麦には水溶性食物繊維β-グルカンやポリフェノールの1種であるプロアントシアニジンが豊富に含まれており、これらの健康効果に注目が集まっている。近年穀物加工品としてパフ加工を行ったシリアルの人気が高まっていることを踏まえ、申請者らがパフ加工した大麦のポリフェノール量と抗酸化能を調べたところ、ポリフェノール量はパフ加工により有意に多く検出され、ポリフェノール量と抗酸化能に相関関係が認められた。そこで、大麦でんぷんについて示差走査熱量分析(DSC分析)や破断測定を行い、でんぷんの状態を評価し、関連を考察することを目的として実験を行った。
【方法】うるち性大麦であるシュンライ(S)、もち性大麦であるフクミファイバー(F)を穀類膨化機、焙煎機を用いてそれぞれ膨化パフ、焙煎パフを調製した。これらの試料について、DSC分析を行なった。また、破断測定ではS, Fの膨化パフ、焙煎パフを試料としてクリープメーターを使用し、くさび型のプランジャーで破断測定を行った。
【結果・考察】DSC測定において、精麦Sの糊化ピーク温度は、精麦Fより有意に低く、糊化エネルギーは大きいという結果が得られた。また、焙煎パフでも同様の結果が得られたが、膨化パフではS, F共にピークが認められなかった。さらに破断測定では最大荷重においてS, Fともに焙煎パフの方が大きな値を示し、膨化パフよりも焙煎パフが有意に硬いことが明らかとなった。焙煎パフには吸熱ピークが見られ、膨化パフには見られなかったこと、膨化パフと焙煎パフでは焙煎パフの方が有意に硬いことから、パフ加工の違いによりでんぷん構造の崩壊の程度が異なることが示唆された。