日本調理科学会大会研究発表要旨集
2021年度大会(一社)日本調理科学会
セッションID: P-k38
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特別企画 次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理 ポスター発表
高知県の家庭料理 行事食の特徴
−土佐のおきゃく文化と皿鉢料理−
*野口 元子福留 奈美小西 文子五藤 泰子
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抄録

【目的】高知県では宴会のことを「おきゃく」と呼び、神祭や冠婚葬祭、節句や正月など様々なハレの行事や人が集まる際に、皿鉢料理が供されてきた。本研究では、高知県の皿鉢料理の特徴をとらえることを目的に調査を行った。高知県は森林率が高く、太平洋に面した海岸線が長く、また農業が盛んな平野もあることから山と海と里の食文化を有する。本研究では、中山間・山間部、沿岸部、平野部の3エリアに分け、それぞれのエリアの皿鉢料理の特徴をとらえる。

【方法】日本調理科学会H24-26年「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」研究の一環として、昭和30〜40年代の高知県の食事について聞き取り調査を行った。その他に収集した食文化資料、家庭料理・郷土料理に関する資料を加え、3エリアで皿鉢料理として供される料理を分類し比較した。

【結果】皿鉢を構成する料理は、沿岸部は魚介類が、山間部は山菜が主であったが、共通してサバずしが用いられていた。サバは県内の沿岸部全域でとれたほか、山間部にも塩サバとして流通しており、サバの姿ずしは県内全域で祝いの席に欠かせない料理となっている。沿岸部ではカマスやアジ、マダイなど季節の魚の姿ずしが、山間部ではタケノコやミョウガ、コンニャクなどの山菜ずしが多く入り、すしの種類に違いがあった。昆布巻き、白和え、ようかん、きんとんなども広く皿鉢料理に用いられているが、使用する具材や作り方に地域差が見られた。また、「大丸(茹で卵入りの蒲鉾)」などの練り製品の使用も多様にあった。皿鉢に用いられる料理の種類を比較したところ、「きんとん豆の天ぷら」、「あたらしや(餅であんこを包み、模様をつけた上に3色の小さなもちを飾ったもの)」など地域で特徴的な料理が見られた。

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