主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2021年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 実践女子大学 日野キャンパス
開催日: 2021/09/07 - 2021/09/08
【目的】煮物に干し椎茸が使われるように、干し野菜は乾燥により含水率が減少するので、歯ごたえが良く味が濃縮されるだけでなく、調味液が浸透しやすいので時短調理や減塩調理が可能になると言われている。一方で機械乾燥品より天日干し品がさらに美味しいとも言われている。本研究ではその要因の一つに太陽光が関与していると考え、切り干し大根を材料に紫外線(UV-A)を照射することによる品質とおいしさの変化を検討した。
【方法】実験材料として収穫直後の大根を使用し、同一の乾燥温度と乾燥時間の条件下で含水率10%程度までUV-A照射乾燥と非照射乾燥を行った。測定項目は含水率、水分活性値、色彩色度、遊離アミノ酸量、総ポリフェノール量、DPPHラジカル消去活性値とした。官能評価は切り干し大根を水に戻しただけの場合と調味液で煮て味付けした場合の二通りについて、主に主婦層を対象に7段階採点法で行った。
【結果】非照射乾燥物と比べUV-A照射乾燥した切り干し大根の方が白っぽく、明度が高く、黄色みが少なかった。水分活性値はUV-A照射によって顕著な差が認められなかった。UV-A照射により遊離アミノ酸総量は1.5倍、DPPHラジカル消去活性値は1.35倍増加した。水戻しした水溶液の色を見るとUV-A照射の方が濃いので、味が濃縮されていると思われる。官能評価では、UV-A照射乾燥物の方が水戻し状態では噛み応えがあり大根の香りと甘味を感じ、調味料で味付けした場合でも味が良くしみ込んで優しい味付けを引き出していると評価された。これらの結果から光(UV-A)照射乾燥することで、おいしくて調味液のしみ込みが良い干し野菜を作ることが可能になった。