主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2021年大会(一社)日本調理科学会
開催地: 実践女子大学 日野キャンパス
開催日: 2021/09/07 - 2021/09/08
【目的】食用ウチワサボテンは生食用や加工品原料として世界30カ国を超える地域で生産されており,生食,ジュースや菓子類などの加工品,サプリメントなど様々に利用されている。また,ウチワサボテンの成分は血糖値の上昇抑制作用,コレステロール低下作用をはじめとする多くの生理作用を持つことが報告されている。一方,愛知県春日井市は実生サボテン生産量日本一であり,サボテンを活用した町おこしに取り組んでいる。そこで,サボテンうどんの開発を試みた。本研究では,サボテンうどんの嗜好性を高めることを目的とし,官能評価を行った。
【方法】春日井市内で生産されたウチワサボテンを利用し,ヌードルメーカーを用いてサボテンうどんを調製した。予備実験を経て,試料は,サボテン無配合(コントロール),粉重量に対してサボテンペーストを20%配合(20%),同様に30%配合(30%)の計3種とした。20代の大学生56名を対象に,外観(肌荒れ),食感(硬さ,弾力,なめらかさ),食味(香り,青臭さ)について官能評価を行った。同時に20%と30%のどちらを好むか尋ね,嗜好性を検討した。
【結果・考察】嗜好性は,30%と比較し20%が好まれる結果であった。官能評価について,外観は,麺表面にサボテンペースト添加による凹凸が見られたが,肌荒れに影響はなかった。うどんの嗜好性に重要であると考えられる弾力は3群間で差がなかった。食味の香りは,コントロールと比較し30%で強く,また,青臭さはコントロール及び20%と比べて30%で強いと評価され,嗜好に影響を及ぼしていると考えられた。今後はこの青臭さをマスキングする加工法および調理法を検討していきたい。