主催: (一社)日本調理科学会
会議名: 2024年度大会(一社)日本調理科学会
回次: 35
開催地: 鎌倉女子大学
開催日: 2024/09/06 - 2024/09/07
【目的】スチームコンベクションオーブン(以下、スチコン)は、炊飯条件の異なる米飯を同時に炊飯することができることから、炊飯機器としても有用である。しかし、炊飯を行う場合、同時に挿入するホテルパンの位置や枚数が容器内温度に影響することが考えられる。そこで本研究では、スチコン炊飯への影響を検討するために、スチコン庫内条件を変えた場合の容器内の水の温度変化を調査し、考察することとした。【方法】スチコンは1/1エナメルパン(325×530×65 mm)が10枚挿入可能である機種(フジマック㈱,FSCC101G)を用いた。1/2ホテルパン(325×265×65 mm)を炊飯容器と想定し、水750gを入れ、温度センサー熱電対(Kタイプ,㈱スリーハイ)をホテルパンの中央、底から0.5 cmの位置になるように蓋に設置した。スチコン庫内の1/1エナメルパンの枚数(0,1,4,5,9枚)や挿入段(6通り)を変え、ホテルパン内部の水の温度変化を測定した。スチコンの加熱条件はコンビスチーミングモード、加熱温度150℃、水蒸気量100%とした。【結果・考察】1/2ホテルパン1枚のみを加熱したところ、容器内の水の温度が95℃に到達する時間は5.0±0.6分であったが、同時に1/1エナメルパンを9枚挿入すると8.1±0.7分となり、エナメルパンの庫内枚数が増えると、容器内の温度上昇は緩慢になった。また回帰分析の結果から、炊飯容器である1/2ホテルパンを1枚から2枚に増やすと95℃到達時間が1.56分遅くなることが示された。これらのことから、スチコンでの炊飯においては、庫内条件を加味した炊飯方法を設定する必要があると考えられた。