【目的】2050年カーボンニュートラルの実現に向け、生活者の省エネ行動変容の促進が求められている。家庭においてCO2削減に向けた行動変容を促すためには、日常生活の中で実践しやすい情報を提供することが重要である。本研究では、家庭調理に焦点を当て、小学校家庭科の教科書で取り上げられている炊飯及び野菜炒めを対象に、ガス・水使用量の削減につながる工夫によって得られる省エネや時短、節約の効果を実測データから明らかにすることとした。
【方法】 炊飯は、精白米と無洗米それぞれ3合を炊き比較した。精白米は、教科書記載の方法で3回洗って、ガスコンロの自動炊飯機能で炊飯した。無洗米は、洗わずに水を加えて同様の方法で炊飯した。野菜炒めは、通常の調理法(以下、通常調理)と、エコ・クッキングや省エネの工夫を取り入れた調理法(以下、エコ調理)で比較した。通常調理では、予熱したフライパンに順に野菜を入れて蓋無しで炒め、エコ調理では予熱無しで全材料をフライパンに入れ、蓋をして加熱する方法で行った。いずれの実験もガス・水使用量、調理時間を計測し、CO2排出量、節約金額を算出した。
【結果】炊飯における1回当たりの水使用量は、精白米0.00428m3に対し、無洗米で0.00069m3(約8割の削減)、それに伴うCO2排出量及び水道代は約8割の削減となった。野菜炒めにおけるガス使用量は、通常調理0.017 m3に対しエコ調理が0.014 m3(約2割の削減)で、ガス使用量の削減に伴い、CO2排出量及びガス代も約2割の削減となった。調理時間はエコ調理が通常調理の2/3程度となった。以上より、炊飯及び野菜炒めにおいて、省エネに資する調理を行うことでガス・水使用量及びCO2排出量の削減、節約、時短につながることが明らかとなった。