日本の社史は、社内に社史編纂委員会・社史編纂室が設けられ、社内で執筆され、著者が明示されず、会社が刊行するが、出版はされない、という例が多い。社外の専門家が執筆する場合も、奥付に名前が出ることは珍しい。ただし正史の社史の他に、普及版が刊行される場合は、著者名が奥付に明記されることが多い。これに対し、欧米の社史は、外部の専門家が執筆し、著者名が明記され、出版社から出版されるのが一般的である。ただし会社で原稿をチェックし、会社が意見を付けられるようになっている。さらに山一証券100 年史の事例にもとづき、社史がどのように刊行されるかを述べる。