赤門マネジメント・レビュー
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経営学輪講
二重のネットワーキングとは何か
経営学輪講 Ter Wal, Criscuolo, McEvily, and Salter (2020)
山口 一青
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2024 年 23 巻 3 号 p. 87-101

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抄録

Ter Wal, Criscuolo, McEvily, and Salter (2020) は、技術者と研究開発マネジャーのペアを対象に、両者が持つ紐帯がグループレベルでは重複しているが、個人レベルでは重複していないとき、イノベーションのパフォーマンスが高いとした。彼らはこれを「二重のネットワーキング (Dual Networking)」と呼んだ。そのメカニズムとして、両者が異なる視点で類似の情報を解釈できること、そして両者が互いに影響力を補完し合えることを挙げた。Ter Walらの議論は、研究開発の文脈以外にも、創造性を必要とする少人数組織内に応用できる可能性がある。特に、二重のネットワーキングにおける測定の改善点について議論を深めることで、創造性と社会ネットワーク研究のさらなる発展につながるといえよう。

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