2007 年 6 巻 9 号 p. 381-412
Marshallの集積論は機能論的で、Weberの集積論は発生論的である。産業集積を動態的な視点から見るには二つの系統を統合する必要がある。そこで、まず、日本の産業集積に関して機能論的な立場から文献レビューを行い、その手がかりを探ることとした。結果、受注側の機能は論じられているが、発注側の視点からの分析はほとんどないことが分かった。以上を踏まえ、大手企業・口座保有企業・中小零細企業の三つの主体に分けて受発注双方の論理を解明し、理論構築することが必要だと説く。