抄録
シイタケ原木栽培後の廃ホダ木から調製したおが粉がヒラタケ栽培株およびエノキタケ野生株の菌床栽培の培地材料として再利用可能かどうかを,北海道で通常の栽培に用いられる広葉樹(ミズナラ)や針葉樹(トドマツ)おが粉を用いた場合と比較検討した.栽培試験の結果,シイタケ廃ホダ木を用いた栽培は,トドマツのおが粉を用いた栽培に比べて子実体収量でやや劣ったが,ミズナラおが粉と同等の収量性を示した.しかし,生殖生長に関わる発茸日数および総培養日数は,廃ホダ木のおが粉を用いた培地ではトドマツの培地に比べて短縮され,総合的評価で高い生産性を示した.これらの結果から,廃ホダ木のおが粉はヒラタケおよびエノキタケ野生株の栽培に再利用可能であることが示された.