抄録
おが粉およびビートパルプを培地基材としてタモギタケの栽培を行い,米ぬかの添加率および培地水分が子実体形成にどの様に影響を及ぼすかを調べた.窒素含量が少ないおが粉を基材とする培地では,子実体原基形成に要する日数および子実体の収量は,培地水分よりも米ぬか添加量に大きく影響された.一方,窒素含量の多いビートパルプ培地は子実体収量が高く,子実体原基形成に要する日数ほおが粉培地よりむしろ培地水分の影響が大であった.これらの結果から,タモギタケの子実体形成は高い窒素含有量を要求するが培地基材の違いの影響が著しいこと,米ぬか添加量あるいは培地水分によって子実体原基形成とその発育を含む子実体形成をコントロールできる可能性が示唆された.