日本応用きのこ学会誌
Online ISSN : 2433-0957
Print ISSN : 1345-3424
7 巻, 1 号
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  • 関谷 敦
    原稿種別: 本文
    1999 年7 巻1 号 p. 3-11
    発行日: 1999/04/25
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    法定基準濃度(0.012%W/W)を含む種々の濃度の殺菌剤チアベンダゾール(TBZ)を添加した菌床培地によるシイタケ栽培試験と子実体中の薬剤残留について検討した.無滅菌培地によるシイタケ栽培試験(試験1)では,TBZを1.2%添加してもシイタケの生育は見られなかった.滅菌した菌床による試験(試験2)では,TBZを0.12%〜1.2%TBZ添加した培地では無添加に比べてシイタケの生育に遅れが見られた.滅菌菌床にシイタケとトリコデルマを同時接種した試験(試験3)では,TBZ0.0012%以下の添加ではトリコデルマが生育し0.012%〜1.2%濃度培地ではシイタケが生育した.1.2%添加培地ではシイタケ菌床の褐変が遅れ,無添加区よりやや高いpHを示した.高TBZ濃度培地では,90日の培養日数では菌床は熟成しなかった.1回目の子実体発生は,0.12%〜1.2%TBZ添加培地では無添加培地より遅れた.試験2および3の同濃度TBZ添加の比較では,試験3の栽培で子実体発生が試験2より遅れた.0.12%濃度の試験2菌床からの1回目の収穫量は無添加より少なかったが,総収量は薬剤無添加菌床と差異がなかった.しかし,TBZ1.2%添加菌床の収穫量は1回目および総収量とも減少し,無添加培地の1/6であった.TBZ添加濃度を増加した菌床では,子実体中の薬剤残留濃度が増加した.様々な栄養剤およびシイタケ品種による栽培試験では,子実体基準濃度(0.012%)添加による栽培では,子実体中のTBZ濃度は環境庁農薬登録保留基準値以下を示した.無添加菌床で1回目の子実体を収穫した後に0.012%TBZ水溶液で浸水処理して子実体発生させた場合でも,子実体中のTBZ濃度は保留基準値より低値であった.
  • 原田 陽, 宜壽次 盛生, 伊藤 清, 富樫 巌, 中谷 誠
    原稿種別: 本文
    1999 年7 巻1 号 p. 13-18
    発行日: 1999/04/25
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    おが粉およびビートパルプを培地基材としてタモギタケの栽培を行い,米ぬかの添加率および培地水分が子実体形成にどの様に影響を及ぼすかを調べた.窒素含量が少ないおが粉を基材とする培地では,子実体原基形成に要する日数および子実体の収量は,培地水分よりも米ぬか添加量に大きく影響された.一方,窒素含量の多いビートパルプ培地は子実体収量が高く,子実体原基形成に要する日数ほおが粉培地よりむしろ培地水分の影響が大であった.これらの結果から,タモギタケの子実体形成は高い窒素含有量を要求するが培地基材の違いの影響が著しいこと,米ぬか添加量あるいは培地水分によって子実体原基形成とその発育を含む子実体形成をコントロールできる可能性が示唆された.
  • 大賀 祥治
    原稿種別: 本文
    1999 年7 巻1 号 p. 19-22
    発行日: 1999/04/25
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    モウソウチク粉末を用いるきのこ菌床栽培を, 9種類のきのこ,シイタケ,マイタケ,ナメコ,エノキタケ,ブナシメジ,ヒラタケ,エリンギ,クロアワビタケ,ヤナギマツタケについて検討した.被検体の菌糸蔓延速度は,いずれのきのこでも対照区のブナ菌床あるいはスギ菌床とほとんど同じであった.一方,子実体発生量は対照区と差が生じ,特にマイタケでは発生量が増加し,ナメコで減少した.モウソウチク菌床へのフスマ添加により菌糸蔓延および子実体発生が改善された.
  • 角田 光利, 谷口 實
    原稿種別: 本文
    1999 年7 巻1 号 p. 23-25
    発行日: 1999/04/25
    公開日: 2018/04/12
    ジャーナル オープンアクセス
    シイタケほだ木に対してニマイガワキンを培養した鋸くず培地または木片を接種し,接種時期,量および部位と接種の影響との関係を検討した.接種の影響はニマイガワキンの子座率(子座率=ほだ木表面積に対する子座面積の割合)により評価した.春の早い時期に接種すると子座率は高かった.子座率は接種する木片の個数を算出するためにほだ木直径(cm)に乗じた変数に比例して高くなった.ニマイガワキンを両木口に接種した場合は,接種の影響は無かった.
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