2009 年 45 巻 2 号 p. 243-247
バングラデッシュの人口の多くは,バランスのとれた食生活へのアクセスが保証されていない.このような場合,家庭菜園による野菜生産が,世帯所得を増加させ,貧困から脱出するための第一の投資となりうる.本稿では,貧困層が生活を改善するために小面積の土地を活用して家庭菜園を確立する方法について考察を行った.調査結果によれば,家庭菜園は農村部の人々に食料の供給・現金所得の確保や雇用の創出などを通じて貧困を削減する重要な役割を果たすことができる.したがって,貧困層が家庭菜園にて野菜生産を行うことが出来れば,その所得を家計支出に充当することができ,貧困に対する強力な武器になりうることを示している.