2020 年 10 巻 2 号 p. 83-88
グルコマンナン及びガラクトマンナンなどのβ-マンナンは針葉樹,グァーガムやコーヒー豆などの様々な植物に含まれる多糖である.筆者らは,β-マンナンを唯一の炭素源として,麹菌と近縁のモデル糸状菌であるAspergillus nidulansを生育させた際に,Glycoside Hydrolase 5 (GH5)ファミリーに属するβ-マンナナーゼ(アミノ酸配列から,既知のβ-マンナナーゼはGH5,GH26及びGH113に分類されていた)と同様に,多量に細胞外に分泌される低分子量(18kDa)の機能未知蛋白質を同定した.この蛋白質は,既知のβ-マンナナーゼを含む機能がわかっているいずれの蛋白質とアミノ酸配列レベルで全く相同性を有しておらず,推定される機能ドメインすら含んでいなかった.我々はこの蛋白質が新規のβ-マンナナーゼ(Man134A)であることを明らかにし,GH134ファミリーを新設した.β-マンナンを基質にした場合,Man134Aは反応産物としてマンノビオース,マンノトリオース,マンノテトラオース及びマンノペンタオースを生成し,マンノトリオースが主要な反応産物であった.また,Man134Aは既知のβ-マンナナーゼの構造にはないリゾチーム型の構造を有し,アノマー反転型酵素であった.