応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌
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ミニレビュー―応用糖質フレッシュシンポジウム―
塩類ストレス下の植物における糖類の役割
南平 眞実 上田 晃弘
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2026 年 16 巻 2 号 p. 103-106

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抄録

世界各地で塩類土壌が拡大の一途を辿る中,農業生産性の低下をもたらす塩害は,解決すべき甚大な課題となっている.広大な塩類土壌の土壌改良は現実的ではないため,植物の塩類耐性機構の理解を通じた塩類耐性向上が求められている.塩類土壌は,その性質により塩性土壌,ソーダ質土壌,塩性-ソーダ質土壌に分類される.中でも塩性ソーダ質土壌では,浸透圧,イオン,酸化ストレスから構成される塩ストレスに加えて,土壌のアルカリ化に起因するアルカリストレスの影響も受けるため,植物の栽培は極めて困難である.筆者らはこれまで,異なる塩・アルカリ耐性を有する2種類のイネ品種を用いて塩類ストレスに対する生理応答を解析してきた.両イネ品種は塩・アルカリストレスにより,塩ストレスよりも深刻なナトリウム過剰とカリウム欠乏を引き起こした.それに伴って,塩・アルカリ処理下において可溶性糖類の濃度を増加させることが示された.この塩・アルカリ処理下における可溶性糖類蓄積は,植物の塩類耐性機構における,浸透圧調節,タンパク質立体構造の安定化,酸化ストレスの軽減,という3点において寄与していると考察される.

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