応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌
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【総説:応用糖質科学シンポジウム】 老化遅延効果が期待されるヘキソースと健康長寿戦略
新谷 知也 新谷 英也佐藤 正資芦田 久
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2019 年 9 巻 2 号 p. 98-102

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抄録

カロリー制限により動物の寿命が延伸することが知られている.しかし,カロリー制限食を実際の食生活に継続的に取り入れることはQOL(quality of life)の点からも容易ではない.そこで,摂取することによりカロリー制限と同等の効果を得ることができるカロリー制限模倣物質(CRM;calorie restriction mimetics)の開発が望まれている.D-グルコースの異性体や誘導体に該当するいくつかのヘキソースが生体の糖代謝・カロリー調節に影響を与え,CRMとして働くことが近年報告されている.糖質は,キチン・キトサンやセルロース・スターチ等の多糖類として多く存在しており,それらを構成する単糖の大部分は六つの炭素原子を有するヘキソースである.安価に入手できる多糖類を原料として工業的に生産できるヘキソースに高付加価値な老化遅延効果を見出すことができれば,機能性食品や医薬品として利用することで健康寿命の延伸への寄与が早期に期待できる.本総説では,CRMについて概説するとともに,老化遅延効果が期待されるヘキソースとしてD-グルコサミン(D-GlcN)とD-アルロース(プシコース;D-Alu)を主に紹介する.

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© 2019 一般社団法人 日本応用糖質科学会
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