抄録
本研究では,泡なし岐阜大酵母GY115-a3株と泡なし岐阜県G酵母NFG株との混合発酵による清酒醸造試験を行った。GY115-a3株はNFG株に対してキラー性を示さず,両株の混合発酵で醸成した清酒はアルコール度および日本酒度は,それぞれ16.7%と-3.7,酸度は1.82とGY115-a3株単独での発酵よりも高アルコール度/低酸度であったが,リンゴ酸/コハク酸(MA/SA)比が0.46とGY115-a3株に特徴的な有機酸組成を示し,NFG株に特徴的な吟醸香が付与されていた。このように,本研究ではGY115-a3株とNFG株の混合発酵による清酒醸造は,GY115-a3株の特徴的な有機酸組成に由来する風味を活かしたまま日本酒度および吟醸香を強化した個性的な清酒が醸造できることを証明した。