抄録
日本の水稲品種における葉身窒素濃度を精度よく,かつ現場で能率的に測定するためのツールとして携帯型葉身窒素濃度測定器がある。日本水稲品種に対する検量線を補正することにより,幼穂形成期における中国水稲品種の葉身窒素濃度の測定に本測定器が適用可能となっている。本報では,さらに,登熟期の中国水稲品種に対しても本測定器が適用可能であることが確認された。また,得られた登熟期の葉身窒素濃度から収穫時における玄米蛋白含有率の推定が可能となった。玄米の蛋白含有率と食味には強い相関関係がある。したがって,結果的に測定された登熟期の葉身窒素濃度により収穫された米の食味の推定が可能となる。そのため,乾燥調製施設における食味水準別の処理が可能となり,製品の差別化を行うことができる。
なお,葉身窒素濃度の測定時期が適切でなければ玄米蛋白含有率との相関関係が得られないので,注意が必要である。