美味技術学会誌
Online ISSN : 2186-7232
Print ISSN : 2186-7224
21 巻, 2 号
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論文
  • 松本 雄一, 水﨑 南雄, 畠中 環季, 川口 真一
    2022 年21 巻2 号 p. 87-94
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/11/17
    ジャーナル フリー
     キクイモ塊茎焙煎茶では水色や味およびイヌリン含量の観点から飲用に適した浸出時間や温度について検討が行われてきたが,イヌリン以外の成分および機能については不明であった。本研究ではキクイモ塊茎焙煎茶における総ポリフェノール含量や抗酸化能,血糖値の上昇抑制に関わるα-グルコシダーゼ阻害活性および血圧の上昇抑制に関わるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性について浸出条件による変動に関する調査を行った。さらにACE 阻害に関与する物質についても検討を行った。その結果,浸出温度80℃以上の場合は2分以上,浸出温度5℃においては2時間以上の浸出時間とすることで,総ポリフェノール含量,2,2-diphenyl-1-picrylhydrazyl(DPPH)ラジカル消去活性,α-グルコシダーゼ阻害活性およびACE阻害活性が高い状態になることが示唆された。ACE阻害に関与する物質は未焙煎のキクイモ塊茎ではニコチアナミン,焙煎後のキクイモ塊茎およびその浸出液である茶ではメイラード生成物である可能性が考えられた。
  • 駒場 あすか, 松本 雄一
    2022 年21 巻2 号 p. 95-102
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/11/17
    ジャーナル フリー
     製パンにおいて,小麦粉の一部を水溶性食物繊維のイヌリンが豊富に含まれるキクイモ塊茎粉末に置換した際の比容積や物性,味質,食味に及ぼす影響を調査した。さらに,イヌリンの含量も調査し,摂取により期待できる機能およびイヌリンによるパンの老化抑制効果について考察を加えた。強力粉に対する置換割合を2 %,4 %,6 %または8 %としたものおよび対照として置換割合0 %のものを用いた。その結果,置換割合6 %までであれば比容積や内相の色・硬度および味認識装置による各種味質において対照パンとの差がなく,官能評価においても同等の嗜好性であった。さらに,4 %の置換によりパンの貯蔵7 日後の硬度の増加が抑制されており,貯蔵性の向上も示唆された。焼成後のイヌリン含量も高く,置換割合4 %以上であれば食パン1 食分の摂取でイヌリンの機能が期待できることから,キクイモ加工品としてキクイモ塊茎粉末置換食パンは有望と考えられた。
  • -携帯型葉身窒素濃度測定器の活用-
    張 玉屏, 朱 徳峰, 陳 恵哲, 張 義凱, 向 鏡, 王 亜梁, 陳 克菲, 周 涛, 渡橋 啓介, 崔 明達, 河野 元信
    2022 年21 巻2 号 p. 103-108
    発行日: 2022/12/31
    公開日: 2023/11/17
    ジャーナル フリー
     日本の水稲品種における葉身窒素濃度を精度よく,かつ現場で能率的に測定するためのツールとして携帯型葉身窒素濃度測定器がある。日本水稲品種に対する検量線を補正することにより,幼穂形成期における中国水稲品種の葉身窒素濃度の測定に本測定器が適用可能となっている。本報では,さらに,登熟期の中国水稲品種に対しても本測定器が適用可能であることが確認された。また,得られた登熟期の葉身窒素濃度から収穫時における玄米蛋白含有率の推定が可能となった。玄米の蛋白含有率と食味には強い相関関係がある。したがって,結果的に測定された登熟期の葉身窒素濃度により収穫された米の食味の推定が可能となる。そのため,乾燥調製施設における食味水準別の処理が可能となり,製品の差別化を行うことができる。  なお,葉身窒素濃度の測定時期が適切でなければ玄米蛋白含有率との相関関係が得られないので,注意が必要である。
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