2018 年 33 巻 p. 12-
イギリスでは,労働党政権において修士化も含めた教職の高度化が図られたが,連立政権においては大学の教員養成課程と離れた形での教員養成ルート(School-Centred Intial Teacher Training, School Direct, Teacher First) など学校主導,現場主義的な教員養成に重きが置かれ,大学における教員養成の在り方そのものが問われている。現在,日本における教員養成も似た状況にあるが,海外では教員養成を担当する大学教員の多くが元学校の教員で あり,キャリアにおいて理論と実践の融合が内在されていることが異なる要素である。 本稿は,教員養成に求められる実践知(実践的指導力)について,全国に広がりつつある「教師塾」に焦点化して考察するものである。それは,日本の大学において増えつつあるいわゆる実務家教員の今後の有り様やそうした人材を積極的に生かした教職課程経営に密接に関わる問題といえる。