放送研究と調査
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調査研究ノート 海外公共放送とダイバーシティー戦略 "多様性"の指標とは
小笠原 晶子
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2021 年 71 巻 2 号 p. 40-48

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抄録
欧米メディアはジェンダーや人種など社会を構成する多様な人々の人権を尊重し、その声をニュースや番組で反映するダイバーシティー推進を掲げてきたが、アメリカで始まった黒人の人権尊重を求めるBLM運動の広がりでさらなる対応を迫られている。ソーシャルメディアの台頭で、多様な視点を反映できないメディアはその存在意義を失う危機感も高まっている。日本においてもその課題は同じであり、今後メディアはダイバーシティーをどう推進すべきか? 先行事例として、海外の主要な公共放送の戦略について見ていく。 イギリスBBCは職員や出演者に多様性を確保するため、その比率に女性50%、BAME(黒人、アジア系、少数民族)は15%といった数値目標を設け、2020年に達成するとした。フランスではメディアの規制監督機関CSAが放送局制作のニュースや番組について、女性や白人でない出演者の数が人口比を反映しているか、さらにその役割、取り上げ方についても細かく分析し評価や改善勧告も行っている。カナダ公共放送CBC/Radio-Canadaでは、女性が全職員の中で半数を超えている背景に、1970年代から女性たちが採用や処遇、昇進などについて徹底的に調査し、エビデンスに基づき組織を動かし改善してきたことがある。
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© 2021 NHK放送文化研究所
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