第1報にて電磁暗室を用いた調査で,現有の観血的動脈血圧測定システムが強度3V/m,周波数帯34~65MHz の電磁波の影響を受け,測定値が異常を示すことを明らかにし,その対策を示した.今回は集中治療室内の電磁波の状況を放射電磁界ノイズセンサーを用いて11日間測定した.11日間の放射電磁界ノイズ総検知数は60633に上った.その中には医療機器に影響を与える可能性の高い5~10V/mの強度の電磁波も認められた.現在医療機器の電磁波に対するイミュニティーに関する国際基準にIEC60601-1-2があり,その第1版が2002年に日本工業標準規格(JIS)として制定された.しかし,電磁波に対するイミュニティーの高い医療機器が全国に普及するにはまだ時間がかかることを考慮すれば,今回の結果は集中治療室等の電磁波環境を今後も留意すべきことを示すものである.