主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 13-18
近年、空き家等の形で管理放棄が問題となってきているが、本研究では売却困難物件が管理放棄へとつながる可能性が高いと考え、中部圏の不動産競売市場を対象に売却困難物件について分析を行った。 その結果、マンションについては全体に堅調な取引状況であり、今のところ売却困難性は低かった。戸建てのうち、名古屋市を含む愛知県では堅調な取引状況であったが、岐阜県や三重県では評価減物件や不売物件が多い傾向にあった。また市街地から郊外、都市計画区域外に向かって評価減物件や不売物件が多く、売却困難性が高まる傾向にあった。売却困難物件に対しては値引きによる売却推進策に限界がある等の考察を行った。