主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 53-58
本研究は藤沢市を対象とし,PM2.5 の高濃度現象の発生要因の検討を行った。2014年において2 月から6 月にPM2.5 濃度の日平均の環境基準値を超過した日は9 日あったが,7月以降は超過していなかった。後方流跡線解析において,中国上空からの気塊の流入頻度は1~5月では60%以上であったが,6月からは減少傾向となり,8月では3.2%となった。PM2.5 濃度の環境基準超過日の後方流跡線はほぼ全てにおいて中国上空からの流入を示した。中国からの気塊の流入で必ずしもPM2.5 濃度が環境基準を超過するわけではないが,環境基準超過日には高濃度のPM2.5 粒子や二次生成粒子の原因物質が流入してきていたと示唆された。