主催: 一般社団法人環境情報科学センター
会議名: Vol.35(2021年度 環境情報科学研究発表大会)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/12/06 - 2021/12/12
p. 256-261
モンゴルでは,近年家畜の増加に伴い草地劣化が問題となっている。本研究の目的はモンゴル草原において家畜の増加に伴う浸透能低下により降雨浸透量がどの程度減少するのか明らかにすることである。調査地は2 つの放牧地(粘土が多い:S1,少ない:S2)と砂丘地(S3)である。 突固めによる締固め試験(JIS A1210)により,家畜が著しく増加した状態を再現した。締固め試験による仕事量は調査地における2012 年の放牧頭数の3.6 倍に相当していた。浸透能を上回る降雨が表面流により全て失われたとすると,年降水量に対する締固め後の浸透量損失の割合はS1 で97%,S2 で13%,S3 で0%であり,粘土の含有量が多いと家畜の踏圧により降雨浸透量が大きく減少することを示した。