塩基度とAl2O3量の異なるスラグを電気炉で試製し、これらについて亜硝酸カルシウム(CN)による水和促進効果の違いを検討した。塩基度が高くAl2O3が多いスラグでは、CN添加によって水和発熱速度が著しく増大した。しかし、この水和発熱速度の増加はモルタル圧縮強さ発現の傾向と一致せず、Al2O3を多く含むスラグではCN添加によるモルタル圧縮強さの増加率は小さくなった。X線回折によるNitrite AFmの生成からスラグの反応促進が確認できたが、強度発現の面でCN添加の影響を論じるには、非晶質な水和物生成や硬化体の空隙構造の変化も含めて更に研究する必要がある。