2025 年 78 巻 1 号 p. 111-118
低温焼成型組成クリンカーを用いて試製したセメント(LTC)の初期強度発現性と水和反応に及ぼすトリイソプロパノールアミン(TIPA)の影響について、普通ポルトランドセメント(OPC)組成を使用した場合と比較して検討した。LTCにTIPAを添加することで、材齢3日以降の強度発現性が向上し、石灰石微粉末を混合した場合はOPCを用いた場合と比較して、材齢28日の強度発現性が特に良好となる結果を得た。水和解析の結果から、TIPA添加による強度増進効果はフェライト相の反応性が向上したことが一要因であると示唆された。また間隙相の水和によって生成するカルシウムアルミネート水和物の種類の違いが強度発現に影響を及ぼすことが示唆された。