茶業研究報告
Online ISSN : 1883-941X
Print ISSN : 0366-6190
ISSN-L : 0366-6190
Maleic Hydrazideによる茶樹の発芽抑制
特にその霜害予防剤としての実用性に関する考察
稻葉 豊年
著者情報
ジャーナル フリー

1953 年 1953 巻 2 号 p. 28-31

詳細
抄録
茶樹の発芽の約1ヵ月前に,MH-30の0.05~0.25%水溶液に,展着剤を加えて,反当1石の割合で撒布した。
発芽前のMH処理は,茶葉の搾汁濃度を高めた。茶樹の発芽はMH濃度に応じて遅延した。濃度(x)と遅延日数(y)との関係はY=3.5+110xを以て示される。霜害の程度はMH濃度の高い程,すなわち発芽期の遅い区ほど少かった。そこで各区の摘採期はかなり接近した。
MH処理区は,霜害が少かつたにもかかわらず,MH自体の影響によって収量を減じた。そのため,各区の間に有意な収量差は認められなかつた。
MHは茶樹の霜害を軽減するには有效であるが,霜害予防剤としての実用的価値は少いようである。
著者関連情報
© 日本茶業技術協会
前の記事 次の記事
feedback
Top