抄録
茶樹の発芽の約1ヵ月前に,MH-30の0.05~0.25%水溶液に,展着剤を加えて,反当1石の割合で撒布した。
発芽前のMH処理は,茶葉の搾汁濃度を高めた。茶樹の発芽はMH濃度に応じて遅延した。濃度(x)と遅延日数(y)との関係はY=3.5+110xを以て示される。霜害の程度はMH濃度の高い程,すなわち発芽期の遅い区ほど少かった。そこで各区の摘採期はかなり接近した。
MH処理区は,霜害が少かつたにもかかわらず,MH自体の影響によって収量を減じた。そのため,各区の間に有意な収量差は認められなかつた。
MHは茶樹の霜害を軽減するには有效であるが,霜害予防剤としての実用的価値は少いようである。