日本畜産学会報
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一般論文(原著)
シカ(Cervus nippon)およびイノシシ(Sus scrofa leucomystax)の肉質に及ぼす要因調査
渡邊 彰木下 一成村元 隆行中井 瑞歩鈴木 結子井上 朔実平田 滋樹
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キーワード: イノシシ, シカ, ストレス, 肉質, pH
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2020 年 91 巻 4 号 p. 395-401

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抄録

国内で流通しているシカおよびイノシシ肉の品質向上のために,処理施設より胸・腰最長筋を購入して,熟成終了時のpHを測定し変動要因について調べた.調査票から動物種,性別,体重,捕獲方法(箱わな,囲いわな,足わな)を要因とし分散分析により解析した.また,タンパク質の変性程度を測定しPale, Soft, and Exudative (PSE)の発生についても調査した.その結果,調査個体の35%はDark, Firm, and Dry (DFD)が疑われるpH>6.0であり,足わなによる捕獲がpHを有意に高くし,オスがメスより高くなる傾向が認められた.一方,PSEと判定されたのは箱わなおよび囲いわなで捕獲された頭数の52%,足わな捕獲の5.8%であった.以上の結果より,品質の高い野生獣肉を提供するには早期発見によるDFDの回避と,興奮を抑えた止め刺し技術によるPSE回避が重要であることが示された.

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© 2020 公益社団法人 日本畜産学会
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