2016 年 21 巻 2 号 p. 85-94
進行する地球温暖化に対して、温室効果ガスの大気中濃度の抑制を目指す緩和策とともに、その影響を回避・軽減する適応策の実施は不可欠である。特に、地域社会は地域の気象条件や地理的特性、社会的条件等により異なる影響が生じ、地域特性を踏まえた適応策の立案と実施が求められる。2010~2014年度に実施された環境研究総合推進費S-8研究は、国全体の温暖化影響の将来予測と影響評価の実施とともに、地域に着目した影響評価手法と適応策ガイドラインの開発等を行い、広く地方自治体の適応策検討に活用されるなどの研究成果を上げている。本稿は、気候変動対策に位置づけられる適応策の特質等を分析するとともに、S-8研究の地域班の研究成果を紹介し、その政策的・科学的な意義と課題等について論じている。