理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: CP563
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運動学
仙腸関節アライメントと片脚立位での骨盤傾斜角度の変化について
*石嶺 友恵山本 尚司赤木 家康
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抄録
【はじめに】我々は第21回関東甲信越理学療法士学会において、腰痛患者における仙腸関節アライメント(以下SIA)と股関節可動域についての報告を行ない、腰痛側では寛骨が後下方変位(Posterior Inferior腸骨:以下PI腸骨)していることが多く、また股関節可動域の伸展・内旋制限があることを確認した。今回我々はSIAと片脚立位での姿勢制御との関係をみるために、骨盤傾斜角度に着目して調査したので報告する。【対象】当院外来通院中の脊柱・下肢に手術歴の無い腰痛患者12名である(性別は全て女性、平均年齢57.5±10.1歳、疾患は変形性脊椎症3名、筋筋膜性腰痛症3名、腰椎椎間板ヘルニア2名、腰部脊柱管狭窄症2名、坐骨神経痛2名)。【方法】1)左右の上後腸骨棘(以下PSIS)へのパルペーションと、水平面での傾きが測定できるダイアルスラント(シンワ社製)を使用し、左右相対的なSIAとしてPI腸骨および前上方変位(Anterior Posterior腸骨:以下AS腸骨)を決定した。2)前額面傾斜角度:自然立位にて、左右PSISを結んだ線をダイアルスラントにて測定し、次に左右片脚立位時の傾斜角度を3回ずつ測定した。3)矢状面傾斜角度:PSISと上前腸骨棘(以下ASIS)を結んだ線をダイアルスラントにて測定し、その値を基準に左右片脚立位時の傾斜角度を3回測定し、次に左右片脚立位時の傾斜角度を3回ずつ測定した。4)データー解析:自然立位と片脚立位での傾斜角度の差の平均値にて比較検討した。PSISが下降する後傾方向への変化量をプラス、前傾方向への変化量をマイナスとし、PI側・AS側片脚立位にてそれぞれ統計処理を行なった。【結果】前額面傾斜角度の変化量はPI腸骨側4.4±1.7°、AS腸骨側-2.2±1.9°であった。これはPI腸骨側での片脚立位はAS腸骨側と比較して反対側(AS腸骨側)の骨盤挙上運動が大きく相対的にPI腸骨側が骨盤下制位となり、AS腸骨側での片脚立位は反対側(PI腸骨側)の骨盤挙上運動は少なくほぼ安静時立位の骨盤位で保持できていたことを示している(P<0.001)。矢状面傾斜角度の変化量はPI腸骨側-1.7±3.6°、AS腸骨側-1.7±2.5°であり左右差は認められなかった。【考察】今回の結果からSIAが片脚立位における姿勢制御に影響を及ぼしていることが確認できた。山本によるとPI腸骨側は荷重側に、AS腸骨側は非荷重側になりやすくモビリティーが減少していると報告している。よってこのようなSIA の特徴が立位バランスに関与しており今回の結果につながったと考える。また矢状面傾斜角度には有意な差は確認できなかったが、測定時に体幹の伸展・側屈、骨盤の回旋などのバランスをとる動きがみられた事が要因と考えられる。今後も姿勢・筋力・動作などの影響を検討していく。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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