理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: DO450
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骨・関節疾患(整形外科疾患)
人工膝関節全置換術のクリティカルパス改正への取り組みについて
*西村 文江石田 崇伊勢 眞樹
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抄録
人工膝関節全置換術後のクリティカルパス改正への取り組みについて【はじめに】当院では、早期離床・早期退院を目標に1998 年より当リハビリテーション科(以下リハ科)の理学療法プログラムが整形外科TKA(セメント使用)クリティカルパス(以下パス)に取り入れられた。しかし、現行のTKAパス・理学療法プログラムは病棟スタッフ、リハビリスタッフがそれぞれ単独で作成しパスの効果が十分には得られていなかった。今回は、パスの標準化を目標に当院でパスの改正を行ったのでその紹介を行う。【対象と方法】対象は平成13年4月から平成14年4月に変形性膝関節症または慢性関節リウマチによりTKAを施行した43例であった。整形外科医師、整形外科病棟・外来看護師、医療ソーシャルワーカー(以下MSW)、理学療法士(以下PT)、作業療法士(以下OT)が医療チームを編成し、2002年5月より月一回の割合でパス検討会を開催した。PT・OTではバリアンス分析を行い、それをもとに各職種間で現行パスの内容について見直しを行った。調査項目は1)術後在院日数、2)歩行耐久性、3)膝関節屈曲可動域、4)日常生活動作(更衣・排泄・入浴動作自立)とした。マイナーバリアンスとして土日を考慮し±3日とした。【結果】・術後在院日数(平均 術後30日)28日以内;56.4% 29日以上;43.6% ・歩行耐久性120m獲得(平均 術後20日)22日以内;48.8% 25日以内;67.4% ・膝関節屈曲可動域90°獲得(平均 術後15日)22日以内;69.7% 25日以内;83.7% ・日常生活動作自立(平均 術後14日)22日以内;79.0% 25日以内;95.3% 上記の結果から以下の点においてパスの改正を行った。1)日数の修正_丸1_入院日;3から4日前から前日へ_丸2_術後在院日数;29日から22日へ_丸3_院内歩行可;15から21日目から8から14日目へ_丸4_階段昇降可;22から28日目から15から21日へ 2) PT・OTによる術前・術後バリアンス評価の導入 3)パスの内容をチェック項目式に変更 ・入院前外来にて諸検査、PT・OT術前評価、術前後バリアンス評価を行うことにより入院日は前日に変更可能となった。術前・術後8日目にリハ科のバリアンス判定を行い主治医に報告する。抜糸後10日目に主治医がリハ科、看護師、家族からの情報をもとに総合的判断を行い転院又は退院の最終決定を下し、転院の場合は速やかにMSWが転院先との交渉を開始する流れとなった。【まとめ】パスの改正に当たって医療チームを編成して検討会を開催したのは整形外科部門において初めての試みであった。これまではパスを作成することに主眼が置かれパスの適正を検討するところまでは至っていなかったが、今回の取り組みによりチーム医療の連携を強化するとともにエビデンスにもとづいたパスの改正を行うことができた。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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