理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: DP241
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骨・関節疾患(整形外科疾患)
関節リウマチ患者における骨密度と機能障害との関連性について
*出口 仁松永 好孝中島 英彦楠戸 康通三宅 孝弘
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抄録
【はじめに】 関節リウマチ(以下、RA)患者では、骨粗鬆化が健常人に比べ早期に、またより高度に進展すると考えられている。またステロイドなどの薬物療法によって骨粗鬆化を促進する可能性も多く報告されている。我々は女性RA患者(43名、平均年齢65.4歳)の骨密度を測定し、機能障害など諸要因について検討したので報告する。【方法】 平成12年9月から14年8月にリウマチドック(第37回理学療法学術大会にて報告)を実施した女性RA患者を対象とし、機能障害および進行度(Steinbrockerの基準)、年齢、罹病期間、ステロイド使用の有無により対象者を分類し、骨密度を検討した。 機能障害、進行度、年齢、罹病期間についてはSpearmanの相関係数を用い、ステロイド使用群と非使用群との比較(それぞれ35、6名、平均年齢64.9、67.7歳)についてはMann-Whitneyのu検定を用いた。骨密度はDEXA(ホロジック社製QDR-2000)により、第2から4腰椎を測定した。測定部位の骨硬化により測定値が不適切と思われる2例は除外した。【結果】 骨密度は、進行度および年齢については相関関係を認めなかったのに対し、機能障害(r=‐.314,P<.05)および罹病期間(r=‐.383,P<.05)については有意な相関関係を認めた。ステロイドに関しては、使用群は1日1mgから7mg(中央値5mg)使用しており、その骨密度は女性の年齢別平均値に対し97.5%、非使用群は93.0%であったが、有意差は認めなかった。【考察】 奥村は、DEXAによる正常日本人女性の第3腰椎の骨塩量は30歳代にピークがあり、40歳代以降、加齢とともに直線的に減少し、閉経期の50歳代にその減少は加速されると報告している。今回、骨密度と進行度および年齢との間には相関関係は見られず、機能障害および罹病期間との間に逆相関が認められた。これは加齢に伴う一次性の要因以上に、機能障害を含むRAによる要因が骨密度に関与していることを示していると思われる。またステロイド使用群と非使用群とに有意差が認められなかったのは、最多使用例でも7mgと少量であったためと思われる。ステロイド使用群に骨密度が高い傾向がみられたことから、適量のステロイドの使用は骨密度の維持、ひいてはQOLの維持・向上につながると思われる。RAの骨密度低下の要因については、発病初期における疾患活動性の高値の持続等が報告されており、更なる検討が必要である。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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