理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: GO522
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小児疾患
当院における極低出生体重児のフォローアップシステムについて
*宮原 真理子木原 秀樹百瀬 芳江丸山 求中井 久絵日詰 恵里子北村 かおる吉越 久美子中村 友彦
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抄録
【はじめに】極低出生体重児の神経学的合併症の頻度は未だ高く、その早期発見とフォローアップのためのシステム作りは重要な課題である。当院では、1998年から「ハイリスク児フォローアップ研究会」による極低出生体重児の発育・発達支援のためのプロトコールを導入した。その後、発達の遅れの早期発見や育児支援を充実させるため、修正6ヶ月のフォローアップを追加し、また以前から実施していた理学療法士による退院時評価の見直しを行った。当院におけるフォローアップシステムの紹介とその結果について報告する。【当院でのフォローアップの流れ】極低出生体重児を対象に、退院(目的:外来フォローの必要性を把握、内容:理学療法士によるDubowitz評価、General Movements評価)、修正6ヶ月(目的:移動開始時期での発達の把握、育児支援、内容:診察、理学療法士による新版K式発達検査、保健相談、栄養相談)、修正1歳6ヶ月(目的:歩行などの運動発達の把握と認知・言語発達の把握、理学療法・作業療法の開始、通園施設などの紹介、内容:診察、作業療法士・理学療法士・言語聴覚士による新版K式発達検査)、3歳(目的:精神発達や社会性の遅れ、多動等の行動の把握、、作業療法の開始、保育園等の集団生活への早期参加の勧め、内容:診察、作業療法士・言語聴覚士による新版K式発達検査)、6歳(目的:就学前健診として就学後の学習面での配慮をフィードバックする、内容:診察、心理士によるWISC-R)、9歳(目的:就学後の状況把握、内容:診察、心理士によるWISC-R)時のフォローアップを実施し、新生児科・神経科・リハビリテーション科・保健師・栄養士を中心に月1回フォローアップカンファレンスを開き、その後の対応を検討している。【フォローアップの結果】新版K式発達検査は姿勢-運動、認知-適応、言語-社会、全領域に分かれて発達指数が出され、一般的に85以上を正常域、70以上85未満を境界域、70未満を遅滞域と区分する。当院にて継続フォローされている極低出生体重児で、予後不良と認められる疾患がある児、新版K式発達検査では測定困難な児を除いた児(修正6ヶ月37名、修正1歳6ヶ月156名、3歳125名)を対象に、新版K式発達検査における域区分の割合を検討した。その結果、正常域割合が修正6ヶ月では姿勢-運動75.0%・認知-適応77.8%・言語-社会80.6%・全領域83.3%、修正1歳6ヶ月では姿勢-運動64.7%・認知-適応73.1%・言語-社会66.7%・全領域73.7%、3歳では姿勢-運動61.6%・認知-適応58.4%・言語-社会50.4%・全領域58.4%であった。【考察】極低出生体重児に対し、退院時評価、修正6ヶ月健診を追加したフォローアップシステムを導入し、発達の遅れの早期発見・フォローアップに努めた。今後はこれらの発達の結果を加味した上で、介入の時期やチームアプローチによるフォローアップシステムのさらなる充実を行っていきたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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