理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: IP688
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循環器疾患
監視、非監視型運動療法の健康関連QOL
*渡利 太山本 美香越智 寿美江藤井 直基齋藤 博則山本 克明泉 唯史
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抄録
【はじめに】心臓リハビリテーション(以下心リハ)において、QOLの向上は大きな目的の1つである。当センターにおいて心リハを受け退院した患者のQOLを監視・非監視型運動療法群にわけて比較検討した。【方法】2001年8月から2002年11月までの期間に心リハを受けた患者95例中、退院後も週1回以上外来の心リハを受けた症例(21例)を監視群、退院後は不定期に外来の心リハを受けた症例と心肺運動負荷試験(CPX)のみをうけた症例(74例)を非監視群とした。【方法】全症例、入院中にCPXを行い、退院時に運動処方をした。発症もしくは手術後1,3,6ヶ月時点でのCPX施行前にアンケートによる健康関連QOLの調査を行った。健康関連QOLを測定、評価するための指標としてSF-36日本語版を用いた。【結果】監視群では、1ヶ月時点でほとんどの項目が国民標準値より低い値を示していたが、3ヶ月時点から全下位尺度がほぼ標準値まで改善していた。非監視群では役割機能‐身体、役割機能‐精神において3ヶ月時点でも監視群と比べ低い値であった。【考察】監視群では、高齢者や残存狭窄を有する者が多く、1ヶ月時点での運動耐容能が低下しているが、運動習慣により3ヶ月時点においてQOLが標準値まで改善している。非監視群では、職業を有する者が多いために役割機能面でのQOLの改善が遅れたと考えられる。【結語】今後は、特に非監視群に対して、定期的に仕事や日常生活に対する不安やストレスを軽減するためにカウンセリングや栄養指導、リラクゼーションなどを充実させていきたい。さらには、各患者の状態を把握するための評価項目を見直し、適切なアプローチができるように心がけたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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